魚を食べて病気予防できる?!

1.魚を食べて病気予防を目指そう

日本人の魚離れが進んでいると言われます。特に40代以下では魚よりも肉を多く食べる傾向があり、10代にもなるとより顕著に肉を食べる割合が多くなります。

かつての魚を中心とした日本食では、質の良いタンパク質やビタミン類・ミネラルを摂取することができました。中性脂肪を下げ、血液をサラサラにして、血栓をできにくくすることで動脈硬化を防ぐなど、健康食と言えるものだったのです。

魚を食べることによって、糖尿病や脳卒中や心臓病を発症するリスクが下がるとの研究結果もあり、魚を週に1回から2回食べることによって、生活習慣病やその他の慢性疾患の予防に効果があると考えられています。脂が豊富なサケやマス、サンマやアジなどの魚を積極的に食生活に取り入れたいものです。

2.魚に含まれる栄養素と病気予防効果の関係

魚によって含まれる栄養素には多少の差があるため、魚を食べて病気予防を目指すならば、予防したい病気に効果のある栄養素は何か、どんな魚が適しているのかを知ることが大切です。

例えば、脳卒中の予防には、EPA(エイコサペンタエン酸)という必須脂肪酸を多く含む、ホンマグロやサバやサンマといった青魚がおすすめです。高血圧には、先程挙げた青魚以外に、サケやウナギといった、血圧を下げる効果が期待できるカリウムの多い魚を食べると良いでしょう。貧血予防には、煮干しやカツオなどの魚以外に、シジミやヒジキなどといった貝や海藻で、鉄分やビタミンB12を多く含むものを選ぶことをおすすめします。海藻は食物繊維を多く含んでいるので、便秘に悩む方にはコンブやワカメなどが適しています。

3.栄養素を効率的に摂取するおすすめの料理法

魚の栄養素を体に取り入れるために、一番おすすめなのは刺身です。

魚に含まれる栄養素の中で、特にDHAやEPAと言った不飽和脂肪酸はたいへん壊れやすく、加熱することでどんどん流出してしまいます。焼いたり煮たりするとその量は生で食べる場合の80%に、揚げた場合は50%にまで減ってしまうので、生で食べるのが一番効率が良いのです。

他に、DHAやEPAは酸素にも弱く、酸化しやすいという特徴もあるので、ビタミンCやビタミンEなど、抗酸化作用がある食品と一緒に摂取しましょう。昔からの組み合わせである「焼いたサンマにカボス」は、おいしいだけではなく、栄養面から見てたいへん理にかなっているのです。

生で食べる以外におすすめなのは、ホイル焼き(蒸し)です。煮汁も食べることで、加熱して流れ出てしまった栄養素も逃がすことなく摂取することができて、とても効率の良い料理だと言えるでしょう。魚だけでは補えない栄養も、野菜などと一緒に蒸すことで合わせて摂れますし、味付け次第で色々と楽しむことができることも、おすすめのポイントです。

また、料理の材料として、魚丸ごとが使われているタイプの缶詰を使うのも良いでしょう。骨や皮なども入っていることから、栄養素を無駄なく摂ることができ、酸化の心配もありません。この場合も、煮汁まで忘れずに使ってください。