魚を食べて病気予防~DHA・EPA・鉄分で健康に

魚を食べて病気予防できるのはDHAのおかげ
魚を食べて病気予防をしたいという方の多くが注目している栄養素の1つがDHAです。DHAは、魚の油の中に含まれています。

イワシやサバ、トロなどはDHAが豊富な魚です。マグロはカブト煮にすることがありますが、目の裏のゼリー状の部分には特にたくさんのDHAが含まれています。青魚以外でDHAが多いのは、ウナギ、サケなどです。

DHAは、冠動脈疾患や脳梗塞などの病気の予防に役立ちます。また、加齢による短期記憶力の低下を遅らせ、認知症の予防にも助けになることも知られています。アトピー性皮膚炎の悪化を防止するのにも役立つという研究結果もあります。1日に摂取する量の目安は1g以上です。1日に90gの魚を食べることで摂取できます。

焼いたサンマなら1尾、小さめのイワシの場合は2尾です。刺身であれば、ブリで4~5切れ、マグロのトロで2~3切れです。サバやイワシ、サンマの缶詰でもDHAを摂取できます。汁の中にもDHAが含まれているので、料理の際、捨てずに使用してください。

EPAも病気の予防に役立つ
青魚には、EPAも豊富に含まれています。EPAは不飽和脂肪酸の中の多価不飽和脂肪酸で、オメガ3脂肪酸に分類されます。これは、体の中ではほぼ作ることができない成分なので、食品などから摂取する必要があります。1日の摂取量の目安は1g以上です。

EPAには、免疫反応を調整し、血液の凝固を抑える作用があります。脂質異常や動脈硬化の改善に役立ちます。

鉄分が多く含まれる魚
魚の中には、鉄分を多く含むものもあります。鉄分は赤血球の材料になる栄養素で、酸素を全身に運ぶのに欠かせません。鉄が不足すると、貧血の症状が現れます。

また、鉄には活性酸素を分解する働きがあります。活性酸素は細胞の働きを弱めてしまうので、シミやシワなどが増え、動脈硬化などの病気につながるリスクが高くなります。

体の中に存在する鉄の70~75%は、酸素を全身に運ぶために使われます。残りの25~30%が肝臓や脾臓、骨髄などの中にあり、酸素を運ぶための鉄が不足した時に使われます。

鉄は多量の汗をかくと失われるので、激しい運動をする方は意識的に取る必要があります。また、女性は月経の際に貧血になりやすいので、その時期には特に鉄分を多く摂るようにしましょう。

魚の中で鉄分が多く含まれるのは、イワシです。特に煮干しには鉄分が多く、100gあたり18.0mg含まれています。含有量が多いので、煮干しを食べると、効率的に鉄分を摂取できます。煮干しほど含有量は多くありませんが、焼きイワシでも100gあたり2.5mg、水煮イワシも2.3mg含まれています。

カツオも鉄分が多い魚で、生のカツオには100gあたり1.9~2.6mgの鉄分が含まれています。削り節なら100gあたり9.0mg、削り節のつくだ煮は8.0mg、缶詰のカツオは2.6mgです。魚を食べて病気予防をしたいと考えているなら、毎日こまめに食べるのがおすすめです。