栄養の宝庫、魚を食べて病気予防!

魚を食べて病気予防できるの?

魚が身体にいいことはよくわかっているのですが、やはり調理が簡単でバリエーションも多い肉を選びがちという人は多いのではないでしょうか。しかし、魚を食べて病気予防ができることを知ると、少し考えが変わってくるかもしれません。

魚で循環器系の病気を予防

世界で一番多い死因は心血管系の疾病です。以前は先進国に多くみられる病態でしたが、最近は途上国でも多くなってきています。しかし、先進国である日本はこの心血管病代表といえる、心筋梗塞の死亡率がアメリカの半分以下です。この不思議な現象の原因が、魚を中心とした和食である可能性が高いのです。

魚には栄養がとてつもなく含まれています。良質なタンパク質も豊富ですし、カルシウムやタウリンも多く含んでいます。中でも、魚を食べて病気予防を考える時に重要なのが、n-3系脂肪酸であるEPAとDHAです。

EPAは血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させ、余っている血小板が集まって固まることを防ぎます。これにより、心筋梗塞や脳梗塞になる確率を減らすことができます。DHAは脳の栄養素とも言われていて、脳の動きをサポートし記憶力に作用します。またDHAも中性脂肪を下げてコレステロールを低下させ、血栓をできにくくする作用があります。

実際30~59歳の世代で、これらDHAとEPAを魚介から多く摂取したグループの心血管病の死亡リスク低下が強く示されています。ちなみに厚生労働省研究班大規模調査では、週に8回魚を食べる人は心筋梗塞を起こす可能性が、週1回しか魚を食べない人より50%以上低いことがわかっています。

魚で糖尿病予防も

循環器系への影響だけではありません。n-3系脂肪酸を豊富に摂取すると、インスリン分泌や抵抗性も改善することがわかっており、糖尿病のリスクの低下が期待できます。実際糖尿病発症と魚を食べている量を調べたところ、男性に関しては魚の摂取量が多いほど、糖尿病の発症を低下させていることがわかっています。

魚で認知症予防も

また、糖尿病の人は認知症なりやすいということもわかっています。血糖値が高い状態の人でも認知症のリスクは上がります。なぜ糖尿病だと認知症になりやすいのかというと、脳内の動脈硬化、インスリン抵抗性などが関連しています。認知症を予防するためには、血糖値のコントロールが重要になり、適切な糖尿病の治療で認知機能も改善することが報告されています。魚で糖尿病を予防することは認知症予防にもつながるのです。

高血圧も認知症の原因のひとつとされていますが、魚に含まれているn-3系脂肪酸は血流をスムーズにして血栓を予防し、高血圧予防もしてくれます。

また、和食中心の人が認知症の発症が少ないと研究で明らかになっています。この和食の特徴としていえることは、魚をたくさん食べることです。和食中心の高齢者では認知症の発症が2割程度低くなっています。