魚から摂りたい!健康と栄養の関係

1.魚で健康と栄養をゲット

日本人が肉を好んで食べるようになり、消費量が増えていくのに反比例して、「魚離れ」が深刻化している昨今ですが、魚にはタンパク質やビタミン、DHAなどの栄養が多く含まれていることは広く知られています。実は、魚には他にもさまざまな栄養素が豊富に含まれており、人間の体を形成する上で不可欠なものをバランスよく摂取することができる、とても優れた食品なのです。

2.魚から得られる栄養素とその効果

魚に含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。

1つめに挙げられるのは、人間の体の約20%を形成し、欠かせない栄養素であるタンパク質です。肉にもタンパク質は含まれているのですが、魚は牛肉や豚肉と比べて脂質が少ないことから、タンパク質の純度が高いという違いがあります(鶏肉のささみなど高タンパク質低脂肪の肉や、脂がのっている魚などの例外もあります)。そのため、同じ量の肉と魚を食べる場合、効果的にタンパク質を摂取することができるのです。

2つめに挙げるのは、栄養補助食品のサプリメントなどでも人気があるDHA(ドコサヘキサエン酸)です。人間の脳や心臓の心筋、母乳などに多く含まれている、人間の体に必須の栄養素ですが、体内ではほとんど作られないため、食品から摂取する必要があります。脳の細胞に欠かせない栄養素であり、記憶力を高めるなど、認知症の予防や改善に効果があるとされています。

3つめは、血中のコレステロールや中性脂肪を減らし、血圧を下げるなどの働きがあるタウリンです。タウリンにはその他にも、目が見えにくくなるのを防ぐ効果や、赤ちゃんの脳や網膜の発育を促す効果があります。

4つめ、カルシウムも他の食品とは比べ物にならないくらい豊富に含まれています。このカルシウムは骨や歯を構成する主要な成分であり、それ以外にも細胞の分裂や分化を促したり、神経が興奮してイライラするのを抑制したりといった効果を得ることができます。

最後に挙げるのは、EPA(エイコサペンタエン酸)です。これも、DHAのように体内では作られない不飽和脂肪酸であり、食べることによって摂取することができます。体の免疫機能を調整し、アレルギー疾患の改善に効果がある他、高血圧や動脈硬化、脳卒中や心筋梗塞の予防にも効果を発揮するなど、血管を健康に維持するために欠かせない栄養素です。

上記以外にも、ビタミンDやビタミンB12などのビタミン類、カリウムやマグネシウムといった必須ミネラルなどの栄養素が含まれており、魚は人間の健康と栄養において、切っても切れない関係だと言えるでしょう。

3.魚のどこにどの栄養素が含まれているのか

魚の栄養素を無駄なく摂取するために、どこを食べればいいのかを知っておきましょう。

頭や目の周りにはビタミンAやDHAが含まれており、身の部分からはタンパク質やEPAを摂取することができます。筋隔と呼ばれる白い筋にはカルシウムのほとんどが、また血合肉にはタウリン・鉄分のほとんどが含まれています。骨にはミネラルやコラーゲンが、皮や内臓にはビタミン類が豊富です。