健康と栄養を考えたら魚と肉、どちらがオススメ?

■健康と栄養面では魚の勝利
動物性たんぱく質を摂取する際には、肉と魚どちらが良いのか迷ってしまう人は少なくありません。肉が好きな人もいれば魚が好きという人もいて、好みで選ぶことが多いのではないでしょうか。しかし健康と栄養と考えると、肉よりも魚の方が圧倒的に高い栄養価と健康効果が期待できます。

動物性たんぱく質の質という点では、肉も魚もどちらも良質です。しかし、そのほかに含まれている栄養成分は肉でも魚でも種類ごとに大きく異なります。これらを肉と魚という2つのカテゴリーに分類した場合、圧倒的に異なるのは含まれている脂質です。

肉に含まれている脂質は、飽和脂肪酸と呼ばれるものです。これは常温では固形の状態で、熱を加えることで融解するという性質があります。一方、魚に含まれている資質は不飽和脂肪酸で、常温でもサラサラとした液体の状態を維持しています。

肉でも魚でも摂取すると、体内に入った脂肪酸は血液中を流れ、細胞へと運ばれます。体内の温度は、肉を加熱調理するほど高くはないため、脂質が固まろうと作用してしまうのです。これが、健康と栄養面ではマイナスの効果となってしまいます。これが体脂肪となって肥満の原因になったり、コレステロールや中性脂肪を増やす原因にもなってしまいます。

一方の魚に含まれている不飽和脂肪酸は、冷えても液状なので、血管を詰まらせたり体脂肪になる心配がありません。しかも、魚に含まれている不飽和脂肪酸にはDHAやEPA、IPAなどがありますが、どれも健康と栄養の面では大きな効果が期待できます。魚を毎日たっぷり食せない人はサプリメントで補給するぐらいの健康効果があることは、多くの人が周知するところではないでしょうか。

肉にはほとんど含まれていないのに、魚には豊富に含まれている栄養成分もあります。それは、ビタミンDです。骨や爪を作る際に必要となるカルシウムの吸収を促進してくれるビタミンDは、魚に多く含まれているという特徴があります。昔から、魚を食べると骨が丈夫になると言われているのは、そのためです。ちなみに、日本人の平均的な食生活においては、摂取するビタミンDの約分近くを生魚から摂取しているという統計もあります。ビタミンDは、太陽に当たれば人間の体内でも生成できますが、効率的かつたっぷり摂取するなら魚を多ベることが得策です。

■肉にも優れた作用はある
健康と栄養だけを考えれば、肉よりも魚の方が圧倒的にヘルシーです。しかし、肉には代謝アップに貢献するという作用があり、この点では魚よりも優秀です。肉に多く含まれているビタミンBの中でもビタミンB2には、髪や皮膚の代謝や細胞生成を促す働きがあります。また肉に含まれているミネラル成分によって、精力や活力がアップするという効果も期待できます。アスリートが魚よりも肉を好んで食べるのは、そうしたエネルギーアップという目的もあるからです。

ただし、魚と比較してカロリーは高めです。また消化に時間がかかるため、食べすぎると消化不良の原因にもなりかねません。ダイエットをするなら、カロリーが低めの魚を積極的に食べるのが良いでしょう。