健康と栄養を手に入れるために魚を食べましょう

1.魚を食べると健康に良いとされる理由

近年、肉食化が進み、魚離れが深刻な問題となっています。1日のタンパク質摂取量の目安は成人男性で60g、成人女性は50gであり、日本人は十分に摂取できているとされています。

しかし、魚の摂取量は足りていないと言われています。魚のタンパク質は、アミノ酸スコアが高い良質なタンパク質です。さらに、肉には含まれない栄養素が豊富に含まれていますので、より積極的に魚を摂取する必要があります。

魚油に含まれるDHAやEPAといった栄養素には、健康と栄養に必要な成分が多く含まれています。DHAやEPAは体内で生成できない必須脂肪酸という成分で、不足してしまうと、目の網膜や神経、脳などの重要な細胞の機能の低下を引き起こします。体にとって良いことの多い魚をたくさん食べて、健康と栄養に対する意識を変えていきましょう。

2.DHAとEPAの効果

DHAには、学習機能を向上し、血液をサラサラにする、アレルギーを好転させる、視力低下を抑制するなどの効果があります。脳や神経、目の網膜に多く存在し、乳幼児の発達にも必要不可欠だと言われています。即効性があるものではないので、継続的な摂取が脳や神経系機能の向上へと繋がります。

EPAは、DHAよりも早く研究が始められており、動脈硬化を防ぎ、血液をサラサラにしたり、中性脂肪値を抑えるなどの効果が報告されています。血液中で増えやすいので、循環器系の器官への効果が期待できます。DHAとは異なり、脳では機能しません。

同じ魚でも、天然物よりも脂ののった養殖物の方がDHAやEPAを多く含んでいます。健康のためにも、効率的に必須脂肪酸を摂取しましょう。

3.栄養価の高い魚で健康と栄養をゲット!

最も栄養価が高いとされる魚は、ズバリ「サケ」です。サケは白身魚に分類されますが、他の魚と比べてタンパク質の割合がかなり高く、切り身80g中18gも含まれています。サケの持つアスタキサンチンという成分には抗酸化作用があり、シミ予防としても効果が期待できます。サケの身の色が濃ければ濃いほど、アスタキサンチンが多く含まれています。

青魚の代表である「サバ」も、栄養価の高い魚の一つです。DHAやEPAが豊富に含まれているので、動脈硬化などの予防にも繋がります。骨ごと食べることのできるサバ缶では、切り身の1.3倍のDHAとEPAと、43倍のカルシウムを摂ることができます。サバの旬は2~7月ですが、身も柔らかく、脂ノリの良くなる秋サバもおススメです。

鉄分やビタミンB群、ミネラルが多く含まれている「カツオ」は、疲労回復や貧血予防に効果的と言われています。高タンパクで低脂質なので、ダイエットにも向いています。睡眠効果のあるセロトニンを作り上げるトリプトファンが100g中310mgも含まれ、睡眠障害を持った方にも最適な魚です。さっぱりとした味わいの春~夏の初鰹と、脂のたっぷりのった秋の戻り鰹、どちらも魚好きにはたまらない味わいです。

その他、サンマやマグロ、アジなどが栄養価の高い魚とされています。肉の代わりにこういった魚をたくさん摂って、1食の栄養価を上げてみませんか?