煮干しで出汁を取るのは和食の基本ですが、手軽に使える顆粒の和風だしを使う人が増え、煮干しで出汁を取る機会は減っているようです。そもそも煮干しがどんな魚で作られているかを知らないという人もいます。煮干しで出汁を取って、丁寧な暮らしを始めてみませんか?
煮干しについて ~煮干しとは?
煮干しは魚介類を煮て乾燥させたものです。カタクチイワシ、マイワシなど、イワシの煮干しが一般的ですが、サバやイカナゴ、鯛などの魚で作った煮干しもあります。また、ナマコ、ホタルイカ、サクラエビなどの乾物も、煮干しに分類されます。煮干しは水分18%以下で日持ちします。東日本では「煮干し」ですが、西日本では「いりこ」や「じゃこ」と呼ばれます。熊本では「ごまめ」、宮城では「たつこ」など、地域ごとに違った呼び名を持っています。
煮干しの作り方
漁師さんたちが漁獲した魚は、鮮度の良いうちに加工工場へ運ばれます。煮干し工場に届いたら、素早く洗浄してぬめりやゴミを取り除きます。大きなせいろに魚を並べて、海水または塩水で煮ます。乾燥は専用の乾燥機で行います。天日干しすると、紫外線で旨味成分のイノシン酸が分解されてしまうので、機械で乾燥するのが一般的です。乾燥した後は選別です。形の悪い物や洗浄で取り切れなかった異物を取り除いて、完成です。
カタクチイワシ煮干しの栄養
カタクチイワシ煮干し100gあたり、たんぱく質約64.5gが含まれています。たんぱく質は、筋肉や臓器類、さらに髪の毛や皮膚を作る大切な成分です。体内で生成できず、食品から摂らなければいけない成分なので、美しく健康的にダイエットしたい方や筋トレ中の方に、煮干しはぴったりです。
また、カルシウムが豊富で、100g中2200mgも含まれます。カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなります。骨粗しょう症になる他、お子さんの場合は骨や歯の発育障害が起こります。
さらに、貧血予防に効く鉄、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、必須脂肪酸のDHAとEPA、コレステロールを減少させるタウリンなど、たくさんの栄養素が含まれています。
煮干しをどう食べる?出汁の取り方は?
煮干しについて 分かったところで、食べ方と出汁の取り方をおさらいしましょう。
煮干しはそのままでも食べられる食材です。栄養素を効率的に摂取するには、丸ごと食べるのがおすすめです。
フライパンにオリーブオイル大さじ3を熱し、煮干しを入れて弱火でゆっくり炒めます。香ばしく炒めたら、すりごまをたっぷり加えて完成です。すりごまの代わりに白ごまを使ってもOKです。お子さんのおやつや、おつまみにぴったりです。お好みでクレイジーソルトやコチュジャンなどを加えると、大人の味になります。
出汁を取る場合は、水500mlに対し、煮干し10g(6尾ほど)を使います。昆布を加える場合は半量でOKです。煮干しの頭と黒いワタをちぎって取り除きます。鍋に水と煮干しを入れてフタをし、30分ほど置きます。鍋を弱火にかけて、アクをすくいながら、5~6分煮出します。ボウルにザルと布巾やキッチンペーパーをかぶせて濾したら完成です。