煮干しについてこんなこと知ってる?

■煮干しについての基本情報
煮干しとは、小魚を乾燥して作る水産加工品です。使われる魚は特定の魚でなければいけないというルールはなく、商品ごとにマイワシやキビナゴ、アジやサバなどの煮干しがあります。煮干しについて共通する点は、乾燥した状態で販売されているという点と、出汁をとるのに最適という点です。特に日本料理を作る際には、鰹節や昆布から出汁をとるだけでなく、煮干しを使ってだしをとる料理がたくさんあります。

小さくて丸ごといただける魚なら、基本的には煮干しにすることができます。しかしスーパーなどで市販されている煮干しについては、小ぶりで乾煎りしてオヤツとしてもいただけるカタクチイワシが多く使われています。

■煮干しはどのように作られている?
煮干しは、ただ魚を乾燥させているだけではありません。煮干しの原料となるのは青魚が多く、不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。これは、人間の体にとってはプラスの作用が期待できますが、脂肪が酸化することで品質劣化が進むため、煮干しの製造プロセスの上では、製造過程だけでなく流通や保存に至るまで、適切な管理が必要となります。

青魚を焼いたりしていただく際には、脂がのったものがおいしいと感じる人は多いものです。しかし煮干し製造においては、脂肪の酸化という点から脂ができるだけ少なめの魚が選ばれやすく、脂身の多い魚は青魚で小さなものでも煮干しには適していません。

煮干しの製造方法ですが、水揚げされた魚を煮沸したうえで乾燥させます。煮沸する際に塩を加えるのが一般的ですが、これは保存期間を長くするためです。市販されている煮干しの中には、塩なしタイプもありますが、保存期間が短くなる点は注意したいものです。

また、市販されている煮干しの多くは、品質劣化を防いでできるだけ長持ちさせるために、ビタミンEや酸化防止剤が添加物として加えられていることが多いです。しかし自宅で煮干しを作るなら、これらは必要ないでしょう。

■スーパーではこんな煮干しを選びたい
スーパーで市販されている煮干しは、品質をどのように見分けたらよいのでしょうか?魚の形としては、背骨が大きく曲がってくの字となったものがおすすめです。製造する際に鮮度が良くない魚だと、おなかの側が盛り上がって曲がったり、おなかの部分が割れてしまうことが少なくありません。また、製造過程で頭やお腹が崩れ落ちているものも、鮮度という点ではあまり新鮮ではない魚だったと言えます。

乾燥した状態で販売されている煮干しについては、保存期間や賞味期限があります。購入する際には、必ずこうした期限を確認しましょう。もしも煮干しの見た目が赤茶色に変色しているものは、脂質が酸化した古い煮干しなので、購入は控えるのが得策です。

ちなみに、煮干しの原料として使われることが多いカタクチイワシは、成長過程に応じてシラスと呼ばれたりちりめん、カタグチなど異なる呼び方をされます。しかしすべて、カタクチイワシという魚の種類は同じものです。日本人の食生活においてはカタクチイワシは幅広い所で活躍する食材なのです。