季節の魚図鑑を知れば魚の旬が分かる

■季節の魚図鑑で季節ごとの違いを知ろう
魚はそれぞれ、旬があります。年間を通して海を泳いでいる魚なら、どの季節にも水揚げすることは可能です。しかし、旬の魚はやはりおいしいですし、おいしいと言われる理由があるものです。季節の魚図鑑を活用することで、どんな魚がいつ旬を迎えるのか、そして季節ごとに魚にはどんな特徴があるのかを知ることができます。

季節の魚図鑑によっては、月別にどの魚がいつ旬を迎えるかを紹介しているものもあれば、ざっくりとした春夏秋冬の季節別に紹介しているものもあります。始めのうちは、ざっくりとした季節で覚えておいても問題はありません。

冬の海水は、夏と比べると水温が下がります。そのため魚たちは、身を守るために脂肪を体内に蓄えます。つまり、魚には脂がのるのです。この冬につけた脂肪がまだ残っている状態で春を迎える魚は、ほどよく脂がのっていて、身も引き締まっていておいしい傾向にあります。具体的には、カツオや鯛、アジなどがあげられます。

夏には、魚は脂の乗りは少なくなります。この時期に旬を迎える魚の多くは、あっさりした低カロリーな白身魚たちです。イワシやカンパチ、トビウオ、カジキマグロなどが該当します。また、夏には、ニョロニョロとしたウナギやアナゴも旬を迎えます。これらの魚は夏でも脂がのっているという特徴があり、栄養価も高いため、夏バテ防止にオススメです。

秋に旬を迎える魚は、産卵する魚が多いです。例えば、カツオや鮭などはスーパーでも鮭祭りなどが開催されたりして、食卓をにぎわせてくれるでしょう。産卵を控えた魚たちは、体内に栄養分を蓄えます。特に青魚はDHAやEPAなど不飽和脂肪酸を多く含んでおり、高い栄養価と共に健康効果も期待できます。

冬に旬を迎える魚は、脂がのっているという特徴があります。身も引き締まっており、旨味という点でも抜群です。スーパーで販売されている魚の中には、寒ブリとか寒シジミのように、魚の名称の前に「寒」という文字をつけたものが多くなります。しかしこれらは、旬ですよというお知らせのためにつけているだけで、寒ブリもブリも、まったく同じ種類です。

■複数回の旬を持つ魚もいる
季節の魚図鑑には、年間に複数回の旬を迎える魚もいます。例えば上記したカツオは、春ガツオとして脂がのった状態を楽しめるほか、秋の戻りガツオは栄養価が高く人気があります。これらは、同じ漁獲地で年間2回水揚げされるというわけではなく、春に旬を迎えるカツオを水揚げする場所と、秋に旬を迎える漁獲地とで、2つの異なる漁獲地からそれぞれ旬のカツオを迎えているという事です。

カツオ以外にも、複数回の旬を持つ魚はおり、ウナギやハモなどが該当します。たとえは、夏に産卵するハモは、温かい海水の中を泳いで身が引き締まっているだけでなく、産卵前で高い栄養価が期待できます。そして秋には寒い冬に向けて食欲旺盛となり、体内にたっぷりと脂肪をつけていきます。これは金ハモと呼ばれており、高い人気があります。